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【副業】会社にバレずに副業を行う方法を解説【会社員の方向け】

2018年の「モデル就業規則」により、日本でも副業が推奨されるようになってきました。

しかし、副業をするにあたり「会社にバレるのが怖くて一歩を踏み出せない」とお考えの方も多いかと思います。

今回はそのような方に向けた記事を書いています。

この記事では下記を説明しています。
・副業が会社にバレる仕組みとその抜け道

所得税と住民税


まず、「所得税」と「住民税」について簡単に理解しておく必要があります。

所得税とは

所得税とは、個人の所得にかかる「国に納める税金(国税)」のことを指します。

会社員の方の場合は、毎月の給料から所得税が天引きされているかと思います。

この所得税の天引きのことを源泉徴収と呼び、年末にその年に支払った所得税の金額が適切かどうか確認・調整することを年末調整と呼んでいます。

会社は、この年末調整後の確定した所得金額を従業員の代わりに「税務署」に納める代行業務をしています。会社に利益は一切ありません。

一方、個人事業主やフリーランスの方は会社に属していない為、毎年自ら税務署に所得税を直接納める必要があります。

これを確定申告といいます。

所得税は国に支払う義務。
会社員の方は会社が従業員の代わりに天引きと支払いを代行しているが、会社に属していない方(個人事業主やフリーランス)は自ら所得税を計算して税務署に納める(確定申告を行う)義務がある。

 

住民税とは

住民税は、主にお住いの市区町村のサービス費用に使用される税金(地方税)」のことを指します。

会社員の方の場合は、毎月の給料から住民税が天引きされているかと思います。

会社は、この天引きされた住民税の金額を従業員の代わりに「市区町村」に納めています。会社に利益は一切ありません。
※新入社員の方など、前年の給与所得の無い方は入社2年目の6月から住民税が課税されます。

一方、個人事業主やフリーランスの方は会社に属していない為、毎年自ら市区町村に住民税を納める必要があります。

納付先が税務署ではない為、こちらは確定申告とは言いません。

住民税は市区町村に支払う義務。
会社員の方は会社が従業員の代わりに天引きと支払いを代行しているが、会社に属していない方(個人事業主やフリーランス)は自ら住民税を市区町村に納める義務がある。

 

所得税と住民税のまとめ

所得税も住民税も支払いは国民の義務であリ、所得税は「税務署」、住民税は「市区町村」とそれぞれ納付先が異なる。

会社員の方の場合は、会社が従業員の代わりにそれぞれの税金を徴収・納税する代行をしている。

個人事業主やフリーランスの方の場合は、それぞれの税金を税務署や市区町村に直接納税している。
 

副業が会社にバレる原因(住民税)

副業がバレる主な原因は、上記で解説した住民税によるものです。

住民税により副業がバレるケースが2つ存在する為それぞれ解説していきます。

①納税方法によりバレるケース

まず、下記が住民税の全体の流れになります。(※会社員の方の場合)

①住民税が給料から天引きされる

②会社が徴収した①の住民税を従業員の代わりに市区町村に納付する
※ここまでは 住民税とは にて解説済。

③税務署が市区町村に納税者の申告内容を報告する
所得税とは で解説したように、所得税の納付は会社が代行して税務署に行います。税務署はその情報を元に、「この方の1年間の所得は○○円でした」と市区町村へ報告します。

④税務署から通知された金額をもとに、市区町村が住民税の金額を計算する
ここで計算される住民税の金額は、税務署から送られた納税者の昨年1年間(1〜12月)の所得に対するもので、毎年見直されます。

⑤計算後の住民税の金額を、市区町村は納税者の勤務先に報告する
毎年6月から新しい住民税の金額が適用されます。

①に戻る

住民税は①〜⑤のループで成り立っています。

つまり、副業を行っている場合は「副業の収入を含めて計算された住民税の金額」が勤務先に伝わることになります。

勤務先の経理担当者は、「この会社の給料に対して住民税が高い」とそこで気付く為、「別の収入がある(副業をしている)のではないか」と考えることで副業がバレてしまいます。

解決策

副業の収入に対する住民税を支払う方法において「普通徴収」を選択し、自ら住民税を納めることで発覚を防ぐことが可能です。

普通徴収と特別徴収とは?

住民税には普通徴収特別徴収の2種類が存在します。

普通徴収

普通徴収とは、従業員本人が市区町村へ住民税を直接納める方法です。

市区町村から住民税の納税通知書が納税者の自宅に郵送される為、この納税通知書を持って直接市区町村に支払います。

個人事業主やフリーランス(事業所得)の方の住民税は、こちらの普通徴収に該当します。

 

特別徴収

特別徴収とは、会社が従業員に毎月支払う給与から住民税を天引きし、従業員のお住まいの市区町村に納める方法です。

会社員の方(給与所得)の住民税は、こちらの特別徴収に該当します。

 

普通徴収と特別徴収のまとめ

副業収入の住民税の支払いにおいて、
特別徴収を選択した場合は、会社が「会社の給料と副業の収入をまとめた金額」を住民税として徴収する為、副業がバレてしまいます。

普通徴収を選択した場合は、副業の収入にかかる住民税を会社の給料から発生する住民税とは別々に納める為、会社に知られることはありません。
 

普通徴収を選択するまでの流れ

まず、副業の収入に対して確定申告を行います。

※副業の事業による所得(事業所得)が1円でもあれば必ず確定申告を行わなければなりません。

そして、確定申告の際に住民税の支払方法を記載する欄があるので、自分で納付(普通徴収)を選択します。

作業はこれだけです。


 

注意点

実は普通徴収を取り扱っていない市区町村も存在します。

理由は、特別徴収(会社の給料から天引き)したほうが確実に税金を搾取できる為です。普通徴収では未払いのリスクがあります。

更に普通徴収を選択したにも関わらず、担当者がそれに気付かず特別徴収に変更されていることもあるようです。

念の為、お住いの市区町村に「普通徴収での納税に対応しているか」、「自分で納付に○を付けたが特別徴収に戻されていないか」を入念に確認する必要があるかと思います。

ケース①のまとめ

副業の収入にかかる住民税の納税方法は「普通徴収」を選択し自ら住民税を納めることで、副業が会社にバレることを防ぐことが出来る。

 

②複数の給与所得があることでバレるケース

もう一点は、副業としてアルバイトやパート労働を行うことです。

アルバイト先の会社も本業の会社と同様に、従業員の住民税を源泉徴収し市区町村に納めています。

しかし、給与所得(アルバイトやパート労働で得た所得)には下記のルールが定められています。

・原則的に給与所得は住民税の普通徴収(自分で納付)を選択することができない。
・給与所得が複数ある(複数の勤務先から給料をもらっている)場合、給料の多いほうの勤務先1社からまとめて住民税を特別徴収される。

上記のルールより、住民税の「普通徴収(自分で納付)」は選択できないことから別々に住民税を支払うことができません。

そして基本的に本業である会社のほうが給料が高いので、本業の会社に副業の会社のぶんをまとめた住民税の金額が市区町村から通知されることになります。

その為、本業の会社に通知される住民税の金額が多いことでまたしても副業がバレてしまいます。

ケース②のまとめ

副業の収入がアルバイトやパート労働の場合でも、住民税が源泉徴収されることで副業がバレる可能性が高い。

原則的に、副業は「給与所得」ではなく「事業所得」を得る必要がある。

副業が会社にバレる原因(自滅)


自滅により副業がバレてしまうことも実は多いと言われています。

1つずつ見ていきましょう。

友人に伝えてしまう

副業の収入が増えてくるとどうしても誰かに副業のことを話したくなります。

しかし、噂はどこから広まるか分かりません。

仮に会社の友人などに伝えた場合でも、副業への嫉妬から上司などにチクられてしまうことも充分にあり得ます。

辛いですが、副業のことを誰にも言わないことがとても重要です。

匂わせる行動をとってしまう

とにかく社内で副業を匂わせるような行動は避けた方が無難です。

休憩中にスマホで副業のビジネスを進めたり、不自然に毎日定時退社したりすることなどが挙げられます。

また、SNSの発信も充分に注意する必要があります。

人はどこから見ているか分かりません。

なるべく平然を装い、少しでもリスクを減らすことが重要です。

顔や本名を出してしまう

YouTubeやブログなどで活動する際に、自分の顔や本名を出してしまうと身バレの可能性があります。

こちらも身バレを防ぐ為に匿名で活動するなど、少しでもリスクを減らすことが重要です。

※副業でネットショップを行う場合、特定商取引法に基づいて販売者の個人情報を載せる必要があります。検索により本名が表示されてしまうこともある為充分にご留意ください。

 

誰かに伝えたい気持ちをぐっとこらえて、会社では出来る限り平然を装い隠密に行動しましょう。 ※簡単に見えますが意外と難しいことです。

Q & A

確定申告を放置すればバレない?

バレるバレないの話以前に、脱税にあたるので法律違反になります。

副業での事業収入が1円でもあるならば必ず確定申告を行わなければなりません。

※上記とは別にアルバイトやパートなどで複数の勤務先から給料を得ている(給与所得がある)場合は、年間20万円以上の所得がある場合のみ確定申告が必要です。

【例】給料を受け取った側をAさん。給料を支払った側をBさんとします。

Aさんが確定申告を意図的に行わなかった場合でも、Bさんは「Aさんに○○円支払った」と確定申告で報告する必要があります。これは給料が手渡しであれ口座入金であれ同じです。

また、Bさんにとっては「Aさんに支払った給料=経費」となる為、申告を行わないことはデメリットにしかなりません。

このようにBさんだけが確定申告を行うことで「BさんはAさんに給料を支払ったが、Aさんはそれを報告(確定申告)しなかった」となり、脱税が分かってしまいます。

マイナンバーでバレない?

ほぼ間違いなくバレません。

マイナンバーは個人情報であることから会社側(第三者)が副業の有無を調べることは出来ません。

また、仮に会社から税務署に副業の有無を確認する電話を行った場合でも、それは個人情報である為教えることが出来ないようになっています。

そもそも税務署が「○○さんは副業をやっていますよ」と伝えるメリットが全くありません。

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確定申告書や開業届でバレない?

ほぼ間違いなくバレません。

まず、これらの書類はどちらも税務署に提出する書類です。

こちらも個人情報である為、税務署に届いた情報が会社へ流れることはありません。

まとめ

副業がバレる原因は「住民税」と「自滅」の二点です。
これらを避ければ副業がバレることは有りません。

また、副業はアルバイトやパート労働で「給与所得」を得るのではなく、スモールビジネスで「事業所得」を得るようにすることが重要です。

国は副業を推進しているのが実態です。(※公務員の方を除く)
副業禁止の会社は多いですが、会社の就業規則を破っても法律に罰せられることは有りません。

副業をお考えの方はしっかりと仕組みを理解し、恐れずに実践していきましょう。