「家の鍵や車の鍵をどこに置いたか忘れてしまった」
皆さんはこのような経験をされたことがありますか?
私は何度か経験があります。
探しものは自分の時間を失うだけでなく、ストレスも溜まります。
今回はそのような悩みを無くす「スマートタグ」というアイテムと、Apple社から新発売された「AirTag(エアタグ)」の紹介記事になります。
この記事では下記を説明しています。
・スマートタグとは
・AirTagのセットアップ方法と使い方
・AirTagの強みと弱み
スマートタグとは
スマートタグ(忘れ物防止タグ)とは、スマホとタグをペアリングする(結び付ける)ことでBluetooth通信によりスマートタグの場所をスマホで確認することができるアイテムです。
この機能によってスマートタグを付けたアイテムからスマホを探したり、逆にスマホからスマートタグを付けたアイテムを探すことも出来るため、忘れ物や紛失を防止するアイテムとして重宝されています。
代表的なスマートタグには「Tile(タイル)」や「MAMORIO(マモリオ)」などがあり、私もTileを使用しています。
AirTag(エアタグ)の特徴
2021年4月30日にApple社からスマートタグ「AirTag(エアタグ)」が発売されました。
基本的な使い方は他のスマートタグとは変わりませんが、AirTagは他の商品にはないとても便利な機能を搭載しています。
10億人のユーザーで探すトラッキング機能
これまでに発売されているスマートタグは、基本的にBluetooth通信による通信距離制限がありました。
※私が使用している「Tile」の最大通信距離は約60m。
そのため、遠くで紛失したものを見つけることは難しいという欠点がありました。
一方で、世界中には現在約10億人のAppleユーザーがいると言われています。
AirTagはiPhoneなどのApple製品から出る微弱な電波をBluetoothで通信し、位置情報をiCloudに送信するという仕組みになっています。
そのため、自分のiPhoneからBluetooth接続ができないほど遠い場所で紛失をしてしまった場合も、紛失物の近くにApple(iPhone)ユーザーがいれば、その近くにいたユーザーの電波を利用して位置情報がわかるということになります。
これは、Appleユーザーが多いからこそできるApple商品の強みといえます。
実際は遠くのカフェに置き忘れたとします。
↓
カフェを利用した方(Bさん)の中にiPhoneユーザーがいた場合、Bさんの電波によりAさんのAirTagの位置情報が自動でiCloudに送信されます。
※BさんはiPhoneやAirTagを何も操作する必要はありません。
↓
AさんはBさんの電波によりAirtagの位置情報がわかる為、カフェに置き忘れたことに気付くことができます。
紛失モード
また、紛失モードを利用することで紛失物を発見した相手に対して、持ち主の電話番号などを記したメッセージを表示させることも可能です。
※紛失物を発見した方のスマホはiPhoneではなくAndroidでも問題ありませんが、NFC機能(端末をかざすだけで通信ができる機能)を搭載している必要があります。
正確な位置を把握できるUWB通信機能
UWBとは、Apple社が力を入れている無線技術です。
このUWBはBluetoothよりも高精度で物の位置がわかると言われており、非常に役立つ機能です。
詳細は次項にて実際の画面を用いて解説しております。
※この機能はiPhone11以降の機種でなければ使用できません。
実際に使用してみた
開封〜セットアップまでの流れ
実際に商品を開封していきます。
Apple社の製品ということで非常にシンプルなつくりになっていました。
大きさは500円玉より少し大きい程度で、重量は11gと軽いです。
裏面はそこまで高級感のあるような感じではありませんでした。(缶バッジのような材質です)
オセロに混ざってても分からないような大きさと見た目をしています。
本体には透明のフィルムが付いており、絶縁シートの代わりになっています。
このフィルムを剥がすことでAirTagから音が鳴り、近くに置いていたiPhoneが自動で反応しました。
お持ちのiPhoneにはこのように表示されるはずです。
※バージョンが最新でない場合は、自動で最新バージョンへのアップデート画面に切り替わりますのでアップデートを行ってください。
次にAirTagに名前を付けます。
この名前は、AirTagを取り付けるアイテムの名前(鍵や財布など)にすると分かりやすいかと思います。
私の場合はAirTagをキーケースに取り付けているので、上記の画像にある「Custom Name」を選択し、鍵の名前を「キーケース」、アイコンを「鍵の絵文字」に設定しています。
これでAirTagを使用する準備は完了です。
設定は開封から2〜3分もあれば出来てしまうほど簡単につくられています。
「探す」機能
iPhoneに「探す」という純正のアプリがありますので、そちらを使用して紛失物を探すことができます。
今回は実際に物を無くした程でシミュレーションを行いました。
自分の位置から200mほど離れたお店にキーケースを忘れたという設定とします。
私自身は物を置き忘れたことに気付きますが、この時点でどこに置き忘れたのかは覚えていません。
そこで、iPhoneの「探す」アプリを起動します。
すると、下の画像のような画面が表示されます。
この画像のように紛失したキーケースの位置が表示されるため、紛失物の位置を把握することができました。
操作は「探す」アプリを1タップしただけ。
大抵の場合、ボタンを1回押すだけで忘れ物に関する悩みが解消できる。
「UWB」機能 ※iPhone11〜のみ対応
UWB機能は、「家の中などの自分に近い場所で鍵をどこに置いたか忘れてしまった」。このような方にとても便利な機能です。
今回は実際に私の部屋の中でキーケースを無くした程でシミュレーションを行いました。
上記の【探す機能】と同様に「探す」アプリをタップ後、より紛失物と近い場所でアプリを起動している場合は「探す」というボタンが新たに表示されます。
次に、「探す」ボタンをタップします。
このように詳しいキーケース(AirTag)の位置を表示することができました。
実際に自分が動いたり向きを変えたりする度に情報が変化し、正確な距離や向きを把握することが可能です。
自宅内など近い場所で物を無くしてしまった場合は、より細かい位置情報を調べることができる。
AirTagに関するQ & A
何に付ける?
AirTagは下記のようなものに付けられるのがおすすめです。
- 鍵(キーケース)
- バッグ
- 財布
- 傘
- 自転車 など
一方でこのような場合の使用にはおすすめできません。
- 子供の監視
- ペットの脱走防止
Appleの役員が、「AirTagは人やペットを探すアイテムとしては適していない」と発言しています。
これはストーカーなどの悪質利用を防止する為のセキュリティ対策によるものです。
詳しくは次項で解説しています。
セキュリティの問題は?
AirTagは便利すぎるが故にストーキングなどの悪質利用が心配されています。
AirTagは悪質利用への対策を行っており、自分のiPhoneの接続が届かない場所でAirTagが移動すると通知を表示したり、一定時間が経つと音が出る仕様になっています。
↓
Aさんが移動することで、「あなたと一緒に移動中のAirTagが見つかりました」とAさんのiPhoneに表示されることで気付くことができる。
また、AさんがiPhoneではなくAndroidを使用していた場合でも、一定時間後にAirTagから音が鳴る仕様のため気付くことができる。
↓
そうして不審なAirTagを見つけた場合、NFC機能(端末をかざすだけで通信ができる機能)を搭載したスマホを近付けることで「そのAirTagのシリアル番号」と「電池の外し方」がAさんのiPhoneに通知される。
↓
そのシリアル番号を通報時の資料にしたり、AirTagの電池を外し機能を遮断することで対策を行うことができる。
セキュリティ対策はとられている為、最新バージョンのiOSを使用している方は比較的安心できる。
しかし、仮にiPhoneを持っていない方が自宅帰宅後に警告音による不審なAirTagの存在に気付いた場合は、自宅が特定されるのでないかと個人的には不安に感じる面もある。
防水には対応している?
防塵・防水性能は「IP67」であるため高水準になっています。
ちなみにIP67の「6」は防塵、「7」は防水のそれぞれのランクを表しており、数字が高ければ高いほどそれぞれの性能が高いことになります。
防塵は最高ランクかつ、防水も公式サイトに「最大水深1メートルで最大30分間」と記載があることから、普段使用するぶんには充分すぎる性能だと思います。
保証はある?
購入日から1年間の保証期間があります。
※しかし、消耗による摩損や事故・不正利用によって生じた損害は保証できません。(説明書より)
電池の種類や寿命は?
AirTagは「CR2032」(Panasonic社製)というボタン電池を使用します。
※ちなみにAirTagの購入時はボタン電池が既に入った状態になっています。
このボタン電池は100円ショップでも取り扱いがあるため簡単に手に入れることができます。
また、ボタン電池の寿命は約1年と言われており、電池交換も非常に簡単にできるようにつくられています。
Tileと比較したAirTagのデメリット
私がこれまでに使用していた「Tile」というスマートタグと比較して、いくつか気になった点を記載していきます。
AirTagからiPhoneを探せない
AirTagではなくiPhoneを無くしてしまった場合、AirTagの本体から探すことはできません。
一方で「Tile」には本体にボタンが付いているので、ボタンを押すことでスマホから音を鳴らし見つけることができます。
Androidには対応していない
AirTagはiPhoneにのみ対応している為、Androidで使用することはできません。
一方で「Tile」はAndroidもiPhoneも対応可能です。
アクセサリーを買わなければキーホルダーなどに付けられない
AirTag本体には、キーホルダーに取り付けるための穴が付いていません。
そのため、AirTagを何かに取り付ける為には別途ケースを購入する必要があります。
ちなみに私の場合はケースを使用せず、キーケースの中にAirTag本体を入れて使用しています。
一方で「Tile」は本体に穴が空いているため、そのままキーホルダーなどに取り付けることが可能です。
人が少ない場所での使用は難しい
これはAirTagだけでなく、Tileにも共通しているポイントです。
私は山奥で生活しているため、周りにiPhoneユーザーがほぼいません。
この記事の上部にある【10億人のユーザーで探すトラッキング機能】にも記載しておりますが、AirTagは周囲のiPhoneユーザーの電波を利用して探すため、そもそもiPhoneユーザーがいない環境で使用した場合はあまり効果が期待できません。
まとめ
スマートタグは、物を探す時間を短縮できる便利な時短アイテムです。
また、現時点でAirTagはとても高性能なスマートタグといえます。
しかし今回「Tile」と比較して「AirTag」にも欠点があることが分かったため、自分の生活スタイルに合ったスマートタグを購入することが重要になると思います。
それらを踏まえた私の購入基準は下記のようになりました。
iPhoneユーザーの方でスマートタグの購入に迷った場合は、AirTag。
Androidユーザーの方や普段あまり人のいない地域で生活をしている方(人のいる場所に移動しない方)は、Tileなど他のスマートタグ。
私は山奥に住んでいますが、AirTagのUWB(近くの物を見つける機能)は非常に便利なので、「Tile」と「Airtag」の両方を使用してどちらが自分の生活に合っているのか試してみようと思っています。
スマートタグを活用して、物を探すための無駄な時間と労力を節約していきましょう。